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構造エンジニアリングの刷新:SketchUp によるワークフローの改善

アメリカ合衆国、タホ

Zachary Engineering のヒントとツールを活用して、構造エンジニアリングワークフローを一新し、モデリングプロセスのタイムラインを大幅に短縮しましょう。

3 階建ての家の SketchUp レンダリング画像

建築家 Nick Sonder が設計した 3 階建ての家のレンダリング。

西海岸とハワイの複雑で高級な住宅プロジェクトの専門知識で知られるトップクラスの構造エンジニアリング会社、Zachary Engineering (ZE) は、2009年に画期的な転換を遂げました。 ZE チームは、従来の 2 次元 AutoCAD ファイルから SketchUp を使用したダイナミックな没入型の 3 次元モデリングの世界に移行することで、ワークフローに革命をもたらしました。 この大胆な動きにより、プロジェクトの効率が飛躍的に向上し、積極的な問題解決へとアプローチが変わりました。

「製図は面倒ですが、効率的に行えるツールとプロセスがあれば、時間を大幅に節約できます。 なぜなら、1 つには正確であること、2 つ目には、そこに時間短縮の最大の余地があるからです。」
プロジェクトエンジニア、Jesse Brown

Zachary Engineering 社が、時間を費やしてほぼ完成したプロセスを作成し、それを世界中のエンジニアリングチームや建築チームと共有したいと考えているのは、まさにそのためです。 プロジェクトエンジニアの Jesse Brown が、取材に応じて、ワークフローの概要を共有してくれました。

「私たちは毎年 40 〜 50 件のプロジェクトをすべて SketchUp で実施しています。最初から最後まで、図面セット、詳細、何もかも全部です。 請負業者の時間を大幅に節約し、クライアントのコストを大幅に削減し、素晴らしいプロジェクトを世に出すという構想です。」
プロジェクトエンジニア、Jesse Brown

SketchUp における構造エンジニアリングワークフロー

ZE のすべてのエンジニアリングプロジェクトにおける詳細な SketchUp ワークフローを詳しく紹介します。

SketchUp で示す住宅建築モデルのスクリーンショット

ZE に提供されたアーキテクチャレンダリングで、エンジニアリングワークフローを開始します。

1. プロジェクトの開始:建築モデルを受け取る

ZE がプロジェクトのパートナー建築家から完成したモデルを受け取ると、エンジニアリングプロセスが開始します。 一部の建築会社では、最初に SketchUp にインポートする必要がある他の設計ソフトウェアを使用しています。 しかし、彼らの主なプロジェクトパートナーのひとりは、SketchUp のみを使用する建築家、Nick Sonder です。

「 SketchUp(建築設計)から SketchUp(構造モデリング)までの作業では、インポートした Revit または AutoCAD モデルを使用する場合と比較して、製図の時間を 20~40% 削減できます。」
プロジェクトエンジニア、Jesse Brown

2. LayOut で作業するためのモデルの準備

Zachary Engineering は、単一のラスタビューポート上に積み重ねられたベクタービューポートで構成される LayOut のワークフローを開発しました。 これにより、梁の上下にある柱、フレームの上にある梁などを確認でき、ZE は構造の特定の部分を強調表示できます。 このスタックビューポートシステムを使用すると、構造の各レベルの各ビューポートに、図面セットに正しく表示するために必要な各レイヤー (タグ) が配置されます。

建築モデルを受け取った後、最初に行う作業は、独自のスクリプトを実行して、作成した LayOut 図面テンプレートに対応するすべてのレイヤーとシーンを設定することです。 すべてのモデルに対して手動で設定するのは非常に面倒な作業であるため、ZE はすべての作業を実行する Ruby スクリプトを開発しました。

このセットアップスクリプトは、最初に作成されてから 10 年以上にわたり改良され、より強力になってきました。 Jesse 氏は、最初のスクリプトを完成させるのに 12 〜 16 時間かかったと推定しています。現在では、1 つのプロジェクトにつき、製図とセットアップにかかる時間を 8 〜 10 時間削減し、年間 10 週間以上の作業時間を節約できています。

「チームで作業する場合、会社の誰かがいつでもプロジェクトに飛び込む必要があるため、プロジェクト間の一貫性と継続性が重要です。 これを念頭に置いて、私はプロジェクトに必要なすべてのタグを自動的に生成し、レベルごとにグループ化し、各タグの可視性を保ったまま、すべてのシーンを生成し、それぞれの図面テンプレートにエクスポートする Ruby 拡張を書きました。」
プロジェクトエンジニア、Jesse Brown

SketchUp で作成した住宅建築モデルのスクリーンショット (エンジニアリングコンポーネントが横に表示)

エンジニアリングコンポーネントが建築モデルの横に置かれ、モデリングを開始する準備が整いました。

3. コンポーネントライブラリアセットにドロップしてモデリングを開始 

次に、ZE チームは、スクリプトに対応するローカルのコンポーネントライブラリからモデリングコンポーネントを取得できます。 これらのコンポーネントはそれぞれのレイヤーにすでに配置されているため、構造モデルの製図をすぐに開始できます。

上図のプロジェクトでは、ZE はコンポーネントライブラリにアクセスし、3 階建てのフレーム構造の建物のパッケージを取得し、建築モデルの下の構造のモデリングを開始するために必要なすべてのコンポーネントを素早く取り込みことができます。

「私がそれを表現するなら、建築家からきれいな絵が送られてきて、そのきれいな絵をどうやって立たせるかを考える、という感じです。 建築家は機能的なものを作り、空間を機能させます。私は構造的な要素を取り上げ、建築設計の中でそれらを「隠す」方法を考え出します。」
プロジェクトエンジニア、Jesse Brown

Jesse 氏は、すでに SketchUp を使用している建築家との作業は、 Revit、 CAD、その他の設計ソフトウェアを使用している建築家との作業よりもはるかに迅速で効率的だと述べました。 

たとえば、現在審査中の鉄骨製作図面のプロジェクトについて話してくれました。 ZE チームは SketchUp を使用することで、許可申請のために完全な図面が提出される前に鉄骨製作図面の全セットを完成させることができ、最終的に請負業者に数か月の節約をもたらしました。

SketchUp に配置された構造エンジニアリングコンポーネントを示す建築モデルのスクリーンショット

すべての構造コンポーネントが配置された建築モデルを示す SketchUp のスクリーンショット。

Zachary Engineering による住宅建築の構造設計図

 Zachary Engineering による下屋根と上階のフレームプラン。

4. モデルからプランへ

ZE は、SketchUp の内部ツールを使用して、測定、ジオメトリ、部材の連携および荷重追跡を視覚化し、各種構造設計ソフトウェアを使用して、構造設計の各段階を進めます。 

その過程で、チームはラベルツールで LayOut に取得した SketchUp モデルのエンティティ情報を修正します。 これにより、迅速な設計図のラベリングが可能になり、最終的な図面セットの作成に広範な工学的経験を持つ人材を必要としません。 さらに、部材情報を 1 つの場所(モデル)に集約することで、部材情報を手動で入力する際のユーザーエラーの可能性が低減されます。 Jesse 氏は、このラベリングプロセスにより、情報を手作業で入力するよりも、プロジェクト 1 件あたり少なくとも 1 時間、1 年間でほぼ 1 週間分の時間を節約できると推定しています。

Zachary Engineering の詳細ライブラリのサンプルページ 2 ページを示す画像

ZE 詳細ライブラリには 6,000 以上の既製の標準的な詳細が含まれており、SketchUp ユーザーなら誰でも使用できます。

5. 詳細の追加

SketchUp を使用すると、細部の作成に最も時間を節約できます。 ZE チームが取り組む複雑な住宅構造には、20 〜 400 の複雑な詳細が必要とされ、それらを図面セットに指定する必要があります。 一部の詳細はカスタム仕様であり、プロジェクト要件を正確に反映して作成する必要がありますが、その他は標準仕様であり、ほとんど変更されません。 Zachary Engineering のチームは、6,000 以上の標準的な詳細をすぐに使える状態で用意した、ソートおよび検索可能な詳細ライブラリを開発しました。このライブラリは、そのメリットを得られる可能性のある SketchUp ユーザーが誰でも購入できるようにしています。 熟練した SketchUp ユーザーがゼロから詳細図を作成するのに約 10 分かかるとすると、事前設計された詳細ライブラリを使用すると時間とコストを大幅に削減できます。

「当社の基本機能 (ビデオ、コンポーネントライブラリ、説明書など) を活用すれば、新規ユーザーでも 2 〜 3 週間で作業を開始できます。 SketchUp は、市場に出ている他のソフトウェアと比較して、非常に直感的で使いやすいです。」
プロジェクトエンジニア、Jesse Brown

働き方を変革しましょう

今こそ、構造エンジニアリングワークフローを次のレベルに引き上げる時です。 Zachary Engineering は、SketchUp が建築設計以外にも使用できることを示しています。 プロジェクトの規模や複雑さに関わらず、モデルに費やす時間と労力は、ツールをどれだけうまく使えるかによって決まります。 ZE はエンジニアリング業界に対し、長年微調整を続けてきたツールとプロセスを使用することで、SketchUp への移行がいかに容易であるかを示しています。

これらのツールをご自身で試してみませんか? 無料トライアルを開始するか、自分に合ったサブスクリプションを今すぐ見つけましょう。

Zachary Engineering の詳細ライブラリ (購入可能) と、同社の画期的なSketchUp ワークフローについて、3D Basecamp のプレゼンテーションで詳しく説明しています。 3 つのセッションの詳細は、コンテンツカタログでご覧いただけます。 

Zachary Engineering について

Zachary Engineering 社は、タホ湖とハワイに拠点を置く土木・構造エンジニアリングの一流企業です。米国とカナダのブリティッシュコロンビア州の 2 か国 10 州でライセンスを取得しています。 SketchUp による構造エンジニアリングのエキスパートとして知られる同社は、必要な詳細情報をすべて含めた構造設計図をすべて 3D で提供しています。

さまざまな地域で 28年以上の経験を持つ Zachary Engineering は、今日の異常気象に対応する総合的な住宅設計を専門としています。 設計効率を高めるため、完全な図面一式を作成できる使いやすいモデリングプロセスを開発し、多様な地域に適した 6,000 以上の詳細情報を提供するライブラリを用意しています。 Zachary Engineering は、革新性と専門知識を融合させて、時の試練と自然の要素に耐える、耐久性のある先進的な設計を生み出します。

著者について

Marin さんは質問が尽きることのない好奇心旺盛なタイプの人で、人々の話を語るのが大好きです。執筆していないときは、良書に囲まれてくつろいだり、フィットネスクラスのコーチをしたり、次の旅行先を計画したりしています!

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